犬や猫の頻尿・血尿は病気のサイン?獣医師が教える原因・チェック項目と受診の目安
かまた本町動物病院の院長、芹沢和也です。
「愛犬・愛猫が何度もトイレに行っているけれど、おしっこが出ていないみたい」 「ペットの尿がいつもより赤い気がする」
このような異変に気づいたとき、飼い主さんはとても不安になりますよね。実は、「頻尿(ひんにょう)」や「血尿(けつにょう)」は、動物たちが発する体からのSOSです。
今回は、頻尿・血尿の原因から、ご家庭でチェックすべきポイントまで分かりやすく解説します。
結論:頻尿・血尿を見つけたら早めの受診が大切です
結論からお伝えします。 犬や猫の頻尿・血尿を確認したら、できるだけ早く動物病院を受診してください。
理由は、単なる炎症だけでなく、命に関わる「尿道閉塞(にょうどうへいそく:おしっこが詰まること)」や「腫瘍(しゅよう:がん)」が隠れている可能性があるからです。
特に、何度もトイレに行くのに全くおしっこが出ていない場合は緊急事態です。放置すると体内に毒素が回り、短時間で重篤な状態に陥ることもあります。

頻尿・血尿を引き起こす主な3つの原因
なぜ、頻尿や血尿が起こるのでしょうか。 主な原因は以下の3つに分けられます。
1. 膀胱炎(ぼうこうえん)
もっとも多い原因の一つです。 膀胱の中に細菌が入って炎症を起こしたり、ストレスが原因で炎症が起きたりします。
- 細菌性膀胱炎: 女の子のワンちゃんに多い傾向があります。
- 特発性膀胱炎(とくはつせいぼうこうえん): 原因がはっきりしない炎症です。特に猫ちゃんに多く、ストレスが引き金になると言われています。
2. 尿石症(にょうせきしょう)
おしっこの中に「結石(けっせき)」という石ができてしまう病気です。 石が膀胱の壁を傷つけると血尿が出ます。また、石が尿道に詰まるとおしっこが出なくなり、非常に危険です。
3. 腫瘍や前立腺の病気
高齢の犬や猫の場合、膀胱に「がん」ができているケースや、男の子であれば「前立腺(ぜんりつせん)」の肥大が原因で血尿が出ることがあります。

飼い主さんに確認してほしい「チェックリスト」
受診の際、以下の情報を教えていただけるとスムーズな診断につながります。
- トイレの回数: 1日に何回くらい行っていますか?
- 尿の色: ピンク色、濃い赤、ワインのような色、など。
- 尿の量: 1回分はポタポタ程度ですか?
- 排尿時の様子: 痛そうに鳴いていませんか?
- 食欲・元気: 普段と比べてどうですか?
【アドバイス:尿の採取について】 可能であれば、新鮮な尿を清潔な容器(タッパーや醤油差しなど)に入れて持参してください。 システムトイレをお使いの場合は、下のシートを裏返しにするか、シートを敷かずに溜まった尿を採るとスムーズです。
当院での検査と治療の進め方
かまた本町動物病院では、動物たちに負担の少ない検査を心がけています。
検査の流れ
- 尿検査: 潜血(血が混じっていないか)、細菌、結晶の有無を調べます。
- エコー検査(超音波検査): 膀胱の中に石や腫瘍がないか、壁の厚さはどうかを画像で確認します。
- レントゲン検査: 石の位置や大きさを正確に把握します。
治療について
原因に合わせて、抗生剤や消炎剤などの「お薬」による治療や、ミネラルバランスを整える「療法食(りょうほうしょく:特別なごはん)」への切り替えを提案します。 もし大きな石が詰まっている場合は、外科手術が必要になることもあります。
まとめ:言葉を話せない家族のために
頻尿や血尿は、本人にとって非常に不快で痛みを伴うものです。 「元気はあるから様子を見よう」と思わずに、まずは専門家に相談してください。
早めに対処することで、治療期間も短くなり、ペットの負担も軽く済みます。 当院では、飼い主さんの不安に寄り添い、丁寧な説明を徹底しています。
