【命を守る】マダニが運ぶ殺人ウイルス「SFTS」から愛猫・愛犬を守る方法
1. 結論:SFTSは「人も動物も命を落とす」最恐の病気です
まず最初にお伝えしたい結論です。 SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、治療薬がないため、マダニを付けないための「予防」がすべてです。
SFTSとは、ウイルスを持ったマダニに噛まれることで感染する病気のこと。 もし感染して発症してしまうと、その致死率(亡くなってしまう確率)は驚くほど高いのが現状です。
- ネコちゃん:約60〜70%
- ワンちゃん:約30%
- 人間:約10〜30%
この数字を見てわかる通り、一度かかってしまうと非常に危険です。 現在の獣医療・人間医療ともに、ウイルスを直接やっつける特効薬はありません。 ご自身の免疫力で回復するのを待つしかないのが、この病気の最も怖いところです。
※専門用語解説:SFTS(エス・エフ・ティー・エス) 「重症熱性血小板減少症候群」の略称。ウイルスを保有するマダニに噛まれることで、血液中の「血小板(血を止める成分)」が激減し、全身から出血しやすくなる怖い病気です。
2. 理由:なぜ今、SFTSをこれほど警戒すべきなのか?
理由は大きく分けて3つあります。
① 室内飼いでも安心できないから
「うちは都会のマンションだから大丈夫」「お外に出さないから関係ない」 そう思っている飼い主さんは多いです。 しかし、マダニはどこにでもいます。 飼い主さんの服や靴、ベランダに来る野鳥、散歩帰りの同居犬。 これらに付着して家の中に侵入し、室内だけで過ごしている子に感染させるケースが増えています。
② ペットから人へ「直接感染」するから
通常、マダニの病気は「ダニ→動物」というルートでうつります。 しかしSFTSは、発症した動物の血液や唾液から、看病している人間へ直接うつることが確認されています。 愛するペットを助けようとした飼い主さんが、二次感染で命を落とすという悲しい事例が実際に起きているのです。
③ 診断が非常に難しいから
初期症状は「なんとなく元気がない」「ごはんを食べない」など、ただの風邪や胃腸炎と区別がつきません。 「おかしいな」と思った時には、すでに体の中でウイルスが増え、手遅れになっているケースも少なくありません。
3. 具体例:こんな症状が出たら、一刻も早く病院へ!
もし、おうちのペットに以下のような異変を感じたら、すぐに当院へご相談ください。
- 急な高熱: 体が熱く、ぐったりして動かない。
- 消化器の異常: 何度も吐く、激しい下痢(血が混じることも)。
- 出血のサイン: 歯ぐきから血が出る。皮膚に身に覚えのない「赤い点々(内出血)」がある。
- 黄疸(おうだん): 白目や耳の裏側が黄色っぽくなっている。
特に、「1週間以内にマダニを見つけた」「草むらに入った」という心当たりがあれば、診察時に必ずお伝えください。 その情報があるだけで、救える命の確率がグッと上がります。
4. 対策:今日からできる!愛する家族を守る「最強の予防法」
SFTSは、正しく対策すれば防げる病気です。 私たちが推奨する、家族全員を守るための「3つの習慣」をご紹介します。
① 1年を通した「マダニ駆除薬」の徹底
市販の虫よけスポットではなく、必ず動物病院で処方する駆除薬を使ってください。 病院の薬は、マダニが血を吸い始めた瞬間に成分が働き、ウイルスが体に広がる前にマダニを死滅させます。 最近では「3ヶ月効果が続くタイプ」や、おやつ感覚で食べられる「チュアブルタイプ」もございます。
② お散歩後の「全身チェック」
散歩から帰ったら、まずはブラッシングをしながら全身を触ってください。 特に「目の縁」「耳の付け根」「指の間」「脇の下」はマダニが好んで隠れる場所です。
⚠️ 注意!マダニを素手で取らないで! もしマダニを見つけても、絶対に指で潰したり、無理に引き抜いたりしないでください。 無理に取るとマダニの頭が皮膚に残り、炎症の原因になります。 また、潰した際にウイルスが飼い主さんの傷口から侵入する恐れがあります。 見つけたら、そのまま当院へ連れてきてください。専用の器具で安全に取り除きます。
③ 飼い主さんの「自己防衛」
山や草むらへ行く際は、長袖・長ズボンを着用しましょう。 また、ペットの体調が悪いときは、口の周りを舐めさせたり、顔を近づけて寝たりするのを控えることも大切です。
5. 最後に:予防はペットへの「一番の贈り物」です
SFTSは、一度かかってしまうと「運」に左右される部分が大きい、非常に残酷な病気です。 でも、毎月の予防薬さえあれば、そのリスクをほぼゼロに近づけることができます。
「あの時、予防しておけばよかった」 そんな後悔を、飼い主さんには絶対にしてほしくありません。
大切な家族が、明日も明後日も元気にあなたの隣で笑っていられるように。 マダニ予防について少しでも不安や疑問があれば、いつでも「かまた本町動物病院」に頼ってください。 私たちは、あなたの家族の一員を全力で守ります。
